DVD-Video からのムービーの抽出について

作成 1999.11.12

1. 目的

最近、 コンテント・スクランブリング・システム(CSS) の解除ツールが発表され、 DVD から直接 avi、mpeg のような ムービー形式への変換が可能になった。 以下に DVD-Video から avi 形式のムービーを作成する方法を記述する。

2. 必要な(UG系)ツール

  • DeCSS(decss121b.zip)
  • DOD DVD Speed Ripper(dodsrip1.zip)
  • mpeg2avi
  • Mpeg Utils
  • ac3dec_wave(ac3dec_w05.zip)

    3. 変換方法

    DVD から .vob ファイルをHDD に吸い出す
    DeCSS や DODsrip を用いて DVD-Video 中の .vob ファイルを HDD に 吸い出す。

    CSS の掛かっていない DVD-Video には上記のツールで 吸い出せない。
    このような場合は、(プロテクトが掛かっていないので) エクスプローラで直接ファイルをコピーすればよい。

    vob ファイルをチャプター毎に切り分ける(切り分けなくてもよい)
    抽出された vob は普通 1つ 1 G byte 程度の大きさを持っている。 このファイルの中に、複数のチャプターにまたがった映像を含んでいる。
    チャプター毎に分けた方が処理しやすいので、 Mpeg Utils を用いて分割を行う。

    切り分け方が気に入らなければ、適当なソフトを用いて適当に連結する。

    画像部分の変換
    mpeg2avi を用いて .vob を .avi ファイルに変換する(映像部のみ)。
    input.vob ファイルを変換して output.avi を作成した場合は、 以下のようなオプションをとる。
        ・特になにも変換しない例。
          > mpeg2avi -b input.vob -f -o7 output.avi
           
        ・画像解像度を横320縦240に変換して 横320縦240のAVIファイルを作成する。
          > mpeg2avi -b input.vob  -f -3x 320 -3y 240 -1 320 240 -o7 output.avi
           
    変換後の avi のフレームレートや、 変換に使う codec とcodec のパラメータは、 インタラクティブに聞かれるので適切に指定すること。

    複数の vob ファイルを連結して1つの avi にする場合は、 リストファイルを用いる。 拡張子が lst となるテキストファイルに、 連結した順で vob ファイル名を列記する。
           ; input.lst
           input1.vob
           input2.vob
           input3.vob
           ...
           
           > mpeg2avi -b input.lst  -f -3x 320 -3y 240 -1 320 240 -o7 output.avi
           
    この場合、 input1.vob、input2.vob、input3.vob を連続させた avi が output.avi として作成される。

    また、映画などの 24fps 素材を元にした DVD において、 インターレス化を解除するオプション(-s)が用意されている。
           mpeg2avi.exe -b source.vob -f0 -r -s4 -2 -1 352 240 -o7 IVTC.avi
           
    音声部分の変換
    ac3dec_wave を用いて .vob ファイルから .wav を抽出する。
    Windows に存在する codec を用いてエンコーディングが可能である ので、必要であれば変換を行うことができる。

    しかし、 Windows には mp3 をエンコードできる codec はフリーでは存在しない。 48kHz streo のリニア PCM の wav ファイルを出力して、 おいて既存のエンコードツールを用いた方がよい。

    mp3 化には 「午後の午後のこ〜だ」を用いるのが正しい。
    「午後の午後のこ〜だ」のコーダの出力は .mp3 なので、 MP3 Wrapper を用いて WAVタグ付きの mp3 に変換する。

    画像と音声を結合する
    Video Maid などを用いて映像と音声を結合する。

    Video Maid の場合は、 音声なし avi と wav ファイルを読み込んでおいて、 「編集」→「連結」コマンドを用いて音声付 avi 形式とし、 連結してできたファイルを「ファイル」→「名前を付けて保存」で 保存する。
    その際、 映像側は「再圧縮なし」、音声側もオリジナルの設定を選択 すること。

    ASF 化(やらなくてよい)
    必要に応じて avi ファイルを asf に変換する。
    Microsoft Windows Media Tool をインストールした場合、 Windows ディレクトリの下に VidToAsf.exe というファイルが インストールされている。
       > vidtoasf -in input.avi -out output.asf
           
    と打てば変換される。

    オプションとして '-leadtime' がある。
       > vidtoasf -leadtime 4000 -in input.avi -out output.asf
           
    のように使う。leadtime が大きければ大きいほど、 avi → asf 化の際のサイズの増加が防げる。 ただし、大きくすると再生開始時のバッファリングのかかる時間が 大きくなる。 デフォルトは 1000。

    また、隠しオプションとして '-optimize 1' というものがある。 '-leadtime' と併用すると、ファイルサイズが小さくなる。