NAKAMURA Minoru の日記 (2010年7月)

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7/29 (金)

[Movie] インセプション (公式)

今日は有休をとって川崎へ。 午前中は病院に行って、午後からチネチッタで「インセプション」の字幕を観て来た。

あらすじは、 主人公コブは夢の中に潜ることで他人の秘密を盗み取る企業スパイ。 だが過去に家族と暮らしていた米国で妻殺しの容疑をかけられ米国の地に戻れない。 ある時日系大企業の社長サイトーから米国での犯罪歴の抹消を報酬に、敵対企業の御曹司ロバートに会社を潰させるようなアイデアを植え付ける仕事を依頼される、というもの。

夢や潜在意識に入り込む工作員・探偵という設定はあり触れているが、ストーリーの核になっている主人公コブと妻のモルが潜在意識の深い階層で暮らした時の設定は珠玉だと思う。

とりあえずもう一回今度は吹き替え版を観て来よう。 渡辺謙が自分の声をあてているみたいだし。


7/25 (日)

[Book] 経度への挑戦

Book Cover

デーヴァ・ソベル著、藤井 留美訳「経度への挑戦」を読了した。 新横浜の三省堂で偶然手にとった本だったが望外に面白かった。 原題はLongitude - The True Story of a Lone Genius Who Solved the Greatest Scientific Problem of His Time。 18世紀の英国で、経度測定のための正確な時計を発明したジョン・ハリスを中心とした物語である。

経度と緯度の概念は紀元3世紀には存在しており、プトレマイオスはそれまでに知られている地図を組み合わせた世界地図に経度と緯度を描いている(岩明均の「ヒストリエ」の中でもアリストテレスが地球儀にも経線・緯線が引かれていた)。 緯度は天体の構造から決まるので太陽の動きなどから簡単に測量することができたが、経度の方は人間が任意に決めてよいだけにが、どこからどこまでが経度何度ということすら決めるのは難しかった。 しかし大航海時代に列挙がアジアやアメリカ大陸に手を伸ばすと、航海上の理由や自分の領土を確定するために正確な経度の測定が必要になってくる。

1714年にロンドンの海運業界の要請を受けて、英国議会は正確な経度測定方法を発明したものに多額の賞金を出すという「経度法」を成立させ、それを判定させるために経度評議員を発足させる。 やがて天文学者を中心として天体観測から月の運行予測を行い太陽と月の位置関係から自身の位置を調べる「月距法」の支持する一派と、ジョン・ハリスを含んだ太陽の位置と正確な時計な時計を使って自身の位置を調べるエンジニア達に分かれて鎬を削ることになる。 その中で熱膨張率の異なる二つの金属を組み合わせたバイメタルや、ねじを巻く間も時を刻み続ける駆動力維持の機構などが発明さえてゆく。

Book Cover Book Cover

ところでこの本を手にしたのは、同じく経度をテーマにしたウンベルト・エーコの「前日島」の話が引っかかっていたからだ。

前日島は、ジョン・ハリスよりも1世紀前の17世紀後半の物語。 正確な経度の測定方法が国家機密だった時代に、主人公ロベルトは紆余曲折を経てフランスのスパイとしてスペイン船アマリリス号に乗り込むことになる。 スペイン側が発見したという「画期的な」経度測定方法の秘密を盗むことが目的なのだが、結局その方法というのが「傷ついた犬」というオカルティックな方法。

もともと17世紀の後半の英国にケネルム・ディグビーという錬金術師で海賊という人物がいて、「共感粉末」あるいは「武器軟膏」というものを発明する。 この薬は傷口ではなく、その傷をつけた武器に施せば武器と傷口の間に働く共感作用によって傷が直るというもの。 この薬は患部につけると随分痛かったらしい。

劇中では航海者たちは共感の粉の遠隔作用に目をつけて「傷ついた犬」をという方法を考え出す。 これは陸上で犬をわざと傷つけて包帯を巻く。 その後、傷が癒えぬ注意しながら犬を船に乗せ、陸上では正午ぴったりに犬に巻かれていた包帯に共感の粉を撒く。船上の犬は共感力によって痛がって鳴くので、犬が鳴くのが観測された時刻により経度が分かるという寸法である。

この嘘みたいな話だが「経度への挑戦」の中では、経度の測定方法として実際に試みられた歴史上の事実であると書いてある。なんとももはや。

Book Cover

ところで著者による後書きを読むと ハーバード・スミソニアン天文物理学センターのオーエン・ギンガリッチ氏には本当に感謝している。 彼は本書の第5章および第6章で論じられている、経度問題の解決策として提唱された数々の「ばかげた」方法に関する情報を集めてくださた。ギンガリッジ氏は、現在では入手困難な「奇妙な質問」というパンフレットを探しだし、「共感の粉」に関する様々な事実を明らかにしてくださった。と書かれている。 このギンガリッチ氏というのはあの名著「誰も読まなかったコペルニクス - 科学革命をもたらした本をめぐる書誌学的冒険」の著者じゃありませんか!?色々つながっているですね。


7/21 (水)

[MyWeb] 日記ページの H3 要素を改造

日記ページの H3 要素は個別に ID を振っていたがそこに飛ぶアンカーがなかった。 これを JavaScript で実現してみた。

まあこんなことをチマチマするよりも、ちゃんとしたブログに移るほうがいいのかもしれんが…。


7/17 (土)

ブリューゲル 版画の世界@渋谷Bunkamura (公式)

今日から「ブリューゲル版画の世界」展が渋谷 Bunkamura で開催されたのでさっそく見てくる。 渋谷 Bunkamura へ行くのは 2005年11月6日にスコットランド国立美術館展以来だ。

看板
看板
中庭
中庭

開催初日の15時頃入場したが、入場制限はなかった。 先月行ったポスト印象派のオルセー美術館展絵画展よりも人の入りが少ないぐらいだ。

ただブリューゲルの時代の銅版画は、絵の中の細部まで描き込まれてストーリーを持っている。 印象派の絵は、観客が見入る絵とそうでない絵がはっきり分かれていて、そうでない絵からは客はさっさと足を移していた。 しかし今回のブリューゲル展はどの絵も客が足を留めて、しげしげと眺めている。 そのため人口以上に混んでいて、展示されている絵画150枚を見て廻るのに2〜3時間ぐらいかかる。

ピーテル=ブリューゲルはアントワープを中心に活躍した版画家だが、この当時のオランダ=ベルギー地方には美術品を売り買いするマーケットが整備され、版画もブリューゲルのような下絵を描く人、下絵から銅版画に刻む人、印刷する人と分業体制が出来上がっていたようだ。

あとヒエロニムス・ボスの版画が1枚だけあった。 ただし幻想画ではない。 展示中にもブリューゲルがボスの影響を受けて幻想画を描いたという説明はあったが、ボスの幻想画がなかったのは残念。

渋谷でハチ公バスを見かけた

初めてハチ公バスを見た。

ハチ公バス
ハチ公バス

7/10 (土)

大哺乳類展 海のなかまたち@国立科学博物館 (公式)

前回の「大哺乳類展 陸のなかまたち」(2010年5月3日の日記)に続き、上野の国立科学博物館の「海のなかまたち」を見に行って来た。

前回の「陸のなかまたち」は G.W. だったこともあり客でごったがえしていたが、今回は「海のなかまたち」は初日にも関わらず比較的すいていた。入場時も並ばずに入れた。

看板
看板
ラムダ・ロケット用ランチャ
屋外展示のラムダ・ロケット用ランチャ

上野に到着。

バシロサウルス
クジラの祖先 バシロサウルス
はじめは爬虫類と間違われたらしい。
イッカク
イッカク
イッカクの角
イッカクの角
螺旋状の溝がある

今回のメインの25メートルほどあるシロナガスクジラの全身骨格標本。 と思ったら実物大の複製なのね。

そのほかクジラ・イルカに関係するものの展示。

竜涎香は国立科学博物館が所蔵していたものだが、今回の展示のために一部を溶かして観客が嗅げるようにしている。 でも鼻がつまっているためあまりはっきりした匂いは嗅げなかった。

シロナガスクジラのヒゲ板
シロナガスクジラのヒゲ板
イルカの脳
イルカの脳
竜涎香
竜涎香

クジラ・イルカ以外の海の哺乳類。 アザラシ・アシカ・オットセイ・トド・セイウチなの。 海のといっても陸上で過ごす。

トド
トド
ウェッデルアザラシ
ウェッデルアザラシ
ヒョウアザラシ
ヒョウアザラシ
オットセイの子供とカリフォルニアアシカ
オットセイの子供とカリフォルニアアシカ
ゴマフアザラシ
ゴマフアザラシ
いろいろなアザラシ
いろいろなアザラシ
ワモンアザラシ
ワモンアザラシ
セイウチ
セイウチ
セイウチの骨格
セイウチの骨格

その他、絶滅した・絶滅しそうな動物達。

ステラーカイギュウ
ステラーカイギュウ
ニホンアシカ
ニホンアシカ
ガンジスカワイルカ
ガンジスカワイルカ

クジラなどが浅瀬に乗り上げてて動けなくなって死んで行くストランディングに関する展示。 写真はストランディングしたカズハゴンドウクジラの頭蓋骨を並べたもの。

感想としては、前回の陸の哺乳類の多様性に比べて、海の哺乳類はやはり種類が少ない。 展示されている動物の種類が少なくて、前回と比べるといまいちに思える。 また陸と比べて古生物の化石も少ないのも悲しい。 海で死んだ動物の化石は発掘が難しいからね。 できればもう少し範囲を広げて哺乳類以外の動物も取り上げればよかったのかも。

不忍池

上野公園の不忍池を散策。 夕焼け間際の逆光がまぶしい。

看板
看板
弁天堂を望む蓮池
弁天堂を望む蓮池
弁天堂
弁天堂
めがね之碑
めがね之碑
ふく供養碑
ふく供養碑
亀と鯉
亀と鯉
カルガモ
カルガモ

大哺乳類展的ジュース

秋葉原のヨドバシカメラに出店している Juicer Bar で、大哺乳類展との連動企画をやっていた。 シーホワイトジュースって…。


7/1 (木)

[CPU] x86 の RDTSC 命令は投機実行によってプログラム位置よりも早いタイムスタンプを返す

x86 CPU のタイムスタンプカウンタ(TSC)は、CPU ブート時を 0 としてクロック毎の時刻を刻んでいるが、Linux カーネルは 2 つ目以降の CPU をブートする際に、1番目の CPU の TSC に 2 番目以降の CPU の TSC を同期させようとする。 ただこの TSC 同期は完全には取れていない数百サイクル程度の誤差ができているはず。

ある理由でマルチ CPU の x86-64 でどの CPU の TSC が一番進んでいるのかを確認するプログラムを書いた。 テストプログラムの意図は

  1. 自分の TSC を RDTSC 命令で読み込み、共有メモリに cmpxchgq 命令で書き込む。 同時に他の CPU が書いた TSC 値を読み込む。
  2. 他の CPU の TSC 値が自分の TSC よりも進んでいれば、自分の CPU の TSC は遅れているということになる。
  3. 1. と 2. を繰り返し実行していれば、マルチ CPU で TSC が一番進んでいる CPU が明らかになる。

しかし 4 コアの Nehalem (2.93 GHz) の 2 CPU で計測したところ、全ての CPU が他の CPU に対して遅れているという結果になった。 全ての CPU が遅れるなんてアインシュタインの相対性理論なのか、はたまた電脳ローシュタイン回廊なのか?

Intel のマニュアルを読むと原因が分かったが、RDTSC 命令はどうも投機的に実行されるらしい。

The RDTSC instruction is not a serializing instruction. It does not necessarily wait until all previous instructions have been executed before reading the counter. Similarly, subsequent instructions may begin execution before the read operation is performed. If software requires RDTSC to be executed only after all previous instructions have completed locally, it can either use RDTSCP (if the processor supports that instruction) or execute the sequence LFENCE;RDTSC.

もう少し正確に TSC を計測するプログラム(rdtsc_delay.c)を書く。

RDTSC 命令の前に LFENCE 命令を置くと、全ての CPU が遅れているという状態はなくなった。 というか手元の環境では全ての CPU の TSC の遅延を計測できなくなった。

一方、LFENCE 命令なしだと一番遅延が少ない CPU で 4,000 サイクル以上遅れていることが分かった。 おそらくこれが投機実行の効果になるのだが、4,000 サイクルは 2.93 GHz だと1マイクロ秒以上になる。 ちょっと効き過ぎではないかしら?


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