8/28 (日)
8/26 (金)
[Linux] FUSE の問題点
Linux でユーザランドプログラムとしてファイルシステムを開発できる FUSE API だが、FUSE を使った場合には POSIX のセマンティクスや Linux の他のファイルシステムに期待されている仕様が守れないことがある。
- Shared writable mmap
- FUSE は mmap を使うことができる。しかし複数のプロセスが同時にファイルを mmap して、どちらかのプロセスまたは両方が書き込みをした場合には内容の一貫性がとれなくなる。
通常のファイルシステム上のファイルを複数プロセスで shared mmap した場合、ページキャッシュを共有する。しかし FUSE の場合には、shared mmap はプロセス毎に別々のページキャッシュを持ち、msync などのタイミングでページ単位で write される。そのため同じページの別々の位置を複数のプロセスを同時に書き込むと、片側の書き込みが消えたように見える。 - Atomic rename
- ファイル名の rename は他のプロセスから不可分に見える必要があるが、FUSE では難しい。
FUSE がファイルを open する場合、(1)ファイル名からハンドラを取得する動作と (2) ハンドラから実際のファイルをオープンする動作の二つによって構成され、rename はこの間に割り込むことがあるからである。 - セキュリティ
- ファイルのアクセス許可の判定は FUSE で行わなければならないが、FUSE のインターフェイスはプライマリー GID しか渡してくれない。Auxiliary GID の判定は FUSE を使う側で実装する必要がある。また SELinux を実装するのであれば、拡張属性(xattr)とポリシーを使った SELinux のアクセス制限も実装する必要がある。
参考
- HekaFS User Space Filesystems
- HekaFS POSIX Limitations in FUSE
- Ceph Linus vs FUSE
- KernelTrap Fuse Writable Mmap
- LWN.net FUSE/CUSE: implement direct mmap support
8/24 (水)
[時事] アメリカ東海岸で M5.8 の地震
米東部バージニア(Virginia)州を震源とするマグニチュード(M)5.8の地震が米東部時間23日午後1時51分(日本時間24日午前2時51分)ごろ発生し、首都ワシントンD.C.(Washington DC)中心部などが強い揺れに見舞われた。米東海岸を襲った地震としては、数十年で最大規模となった。 震源の深さはわずか6キロで、揺れは20秒から30秒続いた。地震後、ワシントンD.C.の連邦議会議事堂や国防総省、ニューヨーク(New York)の高層ビル群などからの避難が一斉に始まった。
8/20 (土)
入江氏の結婚式
入江氏の結婚式に出席。
会場は都内の ANA インターコンチネンタルホテル東京。
式場で撮影した写真はお料理だけ載せます。
8/16 (火)
[Android] Android スマートフォンをデジタルオーディオプレイヤーとして使う
デジタルオーディオプレイヤー(DAP)としてずっと iRiver の iHP-120 を使ってきたが、バッテリーが消耗して使い物にならなくなっていた。 Android 型の DAP に密かに期待して、ウォッチしていたのだが帯に短し襷に流しという感じで躊躇していた(2月13日の日記)。
しかし 6月5日 に携帯電話を Android の SH-12C にした買い換えたので、この SH-12C を DAP 代わりにする。 まずこれまでに以下のものを追加購入した。
自分が理想とする DAP 像は 2010年6月5日の日記 に記したが、現状では以下のようにだいたい実現できた。- USBマスストレージとして接続可能で、ファイルを置くだけで再生可能。専用のアプリなしで使えること。
→ これは Android なので普通に実現可能。 - メモリカードが挿せてメモリが拡張できるのがよい。というか内蔵フラッシュメモリはなしで、デジカメ的なアプローチはとれないかしら?かえって高くつく?
→ これも Android では miniSD に音楽データを置くことが普通にできる。 - 目視しないでポケットの中にいれたまま曲のスキップが可能なこと。つまり物理的なスイッチがあること。
→ これは Bluetooth のワイヤレスオーディオレシーバーで可能に。 - MP3のタグ情報のうち表示するものが設定可能なこと。
→ これはアプリしだい。 - バッテリーは携帯あたりから流用して取り替え可能にして欲しい。
→ これは難しい。
音楽再生アプリはいろいろ試行錯誤してPowerAMP Music Playerに落ち着いた。 これは特定のディレクトリを指定しておき、そのサブディレクトリまで含めた音楽ファイルの再生が可能なのが○。
8/14 (日)
秋葉原ラジオ会館のお別れイベント
秋葉原ラジオ会館のお別れイベント「納涼祭」に行ってきた。 今回は店舗がすべて撤退しており、伽藍堂になった空きスペースや8階の事務所にも
建物内は至る所に亀裂が入っている。
これが最後となる秋葉原ラジオデパートの館内。
8階にある和室と日本庭園っぽいもの。 この部屋で会食でもしていたのだろうか?
屋上から見渡す風景。 ヨドバシ秋葉原館も見えます。
8/13 (土)
8/6 (土)
古本売った
部屋の片付けのために蔵書のマンガを古本屋に売却した。
部屋から一番近い古本屋は昨年閉店してしまい、今回は駅近くの「サーカス」という古本屋まで運搬する羽目に。 計3回運んで208冊を売却して3530円になった。
前回は家にもっと近い店に売りに行ったが、計179冊を8,500円で引き取ってくれた。 サーカスは随分買い叩くようだ。
8/5 (金)
[Food] フォー麺@元住吉
ベトナム麺フォーのお店が元住吉にできた。
店のある場所はながらく豆腐屋があったのだが、それが惣菜屋に変わり、今回ベトナム麺の店となった。 もともとちょっと手狭なのだが、机が割とたくさん並んで割と窮屈な感じの店に仕上がっている。
味のほうは、あまりグッとくるものがない。可もなく不可もなく。
8/2 (火)
大英博物館 古代ギリシャ展 THE BODY 2011 究極の身体、完全なる美 (公式)
上野の国立西洋美術館で開催中の「大英博物館 古代ギリシャ展」を見てくる。 副題は「THE BODY 2011 究極の身体、完全なる美」とあり、2008年の北京オリンピックを契機にはじまったもののようだ。 大英博物館のギリシャのコレクションの中でもスポーツに関連する美術品が多く展示されている。
大英博物館とかルーブルとかエルミタージュは、常設展では展示できないほどの所蔵品を抱えている。 そのため余分な所蔵品を使って各国に巡業をしていて、私は「大英博物館展」のような展示を1991年と2003年にも見たことがある。 この二つの展示は、図録で確認したが、展示品がかなり被っていた。 しかし今回の展示品はそれとは被っておらず、しかもほとんどレプリカがない実物となる(ローマン・コピーを本物に含めるなら)。
展示品の多くは黒と赤褐色の黒像式の壷と彫刻。 彫刻は空想の事物を元にしながらも極めて写実的で、これがルネサンス以降の美術に繋がってゆくのも見て取れる。 一方、壷の絵は神話の神々・英雄、競技者、兵士達の姿を写しながらも、人物がみな側面を向いているなど表現に形式的な縛りが多いように見える。
[Food] スマトラカレー共栄堂 (公式、食べログ、livedoorグルメ)
神保町のスマトラカレー共栄堂で晩飯を食べる。 スマトラカレーというのを過去に食べたことがないため、これが本当にスマトラのカレーかどうかは分からぬ。
チキンカレーを食べる。 この店のお値段はチキンカレー > ポークカレーとなっている。
カレーは粘りの強いドロっとしたカレー。 粘りが強いが、小麦粉は一切使ってないらしい。
8/1 (月)
[Book] 「ハチはなぜ大量死したのか」を読了
ローワン ジェイコブセン(Rowan Jacobsen)著、中里 京子訳の「ハチはなぜ大量死したのか」を読了した。 原題はFruitless Fall The Collapse of the Honey Bee and the Coming Agricultural Crisisで2008年刊行。 ミツバチが突然巣を放棄して失踪する蜂群崩壊症候群Colony Collapse Disorder(CCD)を主に米国を中心に追ったドキュメンタリー。 ミツバチと絡めながら展開される米国の農業事情が面白い。
ヨーロッパ人の入植と同時にミツバチは米国に上陸し、以降蜂蜜の採取と幅広い植物の受粉のために利用され続けて来た。 しかし1982年にミツバチヘギイタダニがアメリカに侵入。 このダニは元々はトウヨウミツバチの寄生虫でミツバチを含むセイヨウミツバチに致命的なダメージを与えてしまう。 以降、ミチバチの巣を死滅に追いやってきた。 米国の養蜂家は寄生虫ミツバチヘギイタダニを退治するために、さまざまな殺虫剤を投入し一時的にミツバチヘギイタダニを駆逐するが、耐性をつけたダニが再び繁殖するというのを繰り返す。 そんな中で2006年に、正常に見えていたミツバチの巣から突然成蜂が消えてしまうというCCDが発生する。
CCDの原因は携帯電話の電波、ダニ退治に使った殺虫剤、それ以外の農薬、遺伝子組み換え作物、地球温暖化、ウィルス、真菌等さまざまな原因が考えられてきたが、決定的な回避策は分からない。 危機に陥った養蜂家たちは廃業に追い込まれるが、米国では受粉が必要な商業作物を全面的にミツバチに委ねており養蜂産業が潰れると連鎖的に農業も潰れてゆくという。
原著が刊行された2008年にはCCDの原因はいまだ不明だが、著者はCCDは単一の原因ではなく複数の原因が絡み合っておきたと考えている。 著者はこれまでの効率優先の養蜂から有機的でミツバチの自然の力を利用すれば、殺虫剤に頼らない養蜂が可能で、それがCCDを減らすことにつながると提言している。
ところでCCDとは直接関係ないが、この本を読んでびっくりしたことがある。
本書には書かれていないが、真社会性を示す膜翅目、つまりハチは、不妊ワーカーは全て雌となる。 雌は普通の二倍体。 しかし雄蜂は一倍体(半数体)で遺伝子を1セットしか持っていない。 そのため同じ女王蜂から産まれて父親が同じ働き蜂同士は血縁度が通常の兄弟0.5よりも高い0.75となる。 そのため働き蜂は自分の子供を産むよりも女王蜂に生ませるほうが遺伝子を大量に残せる、ゆえ真社会性が発達した、というのがウィリアム・ドナルド・ハミルトンの仮説だ。
ただしこの説は女王蜂が複数の雄蜂と交尾すると血縁度が下がってしまうという弱点があった。 私はこれをリチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」を読んで知った。
しかしハミルトン流の理論のエレガントな活躍をはばむ、もっとやっかいな邪魔者がある。 社会性膜翅目の中には、結婚飛行の際に、若い女王が二匹以上の雄と交尾する種があるという事実がそれである。 このような例では、その女王の娘たちの間の平均近縁度は3/4未満になってしまい、極端な場合には1/4に近づいてしまうのだ。 あまり論理的だとはいえないが、複数雄との交尾を、女王がワーカーに加える巧妙な一撃とみるとおもしろそうだ。 ついでながら、もしこのように考えるとすると、ワーカーは女王が一度以上交尾しないように、結婚飛行に付きそってゆくべきだというような話も出てきそうだ。 しかし、そんなことをしてもワーカーは自分の遺伝子に何の手助けもできはしないはずだ。 それによって救われる可能性があるのは次世代のワーカーの遺伝子である。 同一の階級としてのワーカーたちの間には労働組合精神などはないのである。 それぞれの個体は自分の遺伝子の「心配」しかしないのだ。 ワーカーは、できることなら自分の母親の結婚飛行の方に付きそいたかったはずだ。 しかし彼女にその機会はなかった。 その時にはまだ受精すらされていなかったのだから。 これから結婚飛行に飛び立とうという若い女王は、その時点の世代のワーカーの姉妹であって、母親ではない。 したがってその時点のワーカーたちは、彼女らの姪にすぎない次代のワーカーの味方ではなく、若い女王の味方なのだ。 なんだか私の頭もくらくらしてきた。 そろそろこの話題をしめくくる潮時のようである。
リチャード・ドーキンス 利己的な遺伝子 10 ぼくの背中を掻いておくれ、お返しに背中をふみつけやろう
これを読んだ時は、女王蜂は二匹以上の雄と交尾することもあるけど、しないこともある。 あくまでも例外的なパターンだと思っていた。
しかし「ハチはなぜ大量死したのか」によると、ミツバチの女王蜂は10匹から36匹の雄蜂と交尾するらしい。 交尾数も多いほど女王蜂は長生きし、またフェロモンの配合がより魅力的に変わるらしい。
けれども女王蜂は、まだ肩慣らしをしただけだ。他の雄蜂が追いかけてくると、もっとも早い数匹を選び、一度に一匹ずつ交尾して、体を離すたびに、雄蜂をデススパイラル飛行(nminoru注:文中雄蜂は交尾後死ぬことをこう表現している)に追いやる。女王蜂がようやく交尾をやめるのは、数回の飛行で10匹から36匹におよぶ求婚者の貢物を手に入れたあとだ。 浮気者だと責めないでほしい。この飛行は、彼女が巣の外に出られる唯一のチャンスなのだから。大学教育とボーイフレンドと一年分の留学がすべて凝縮されているようなものだ。この数日間の朝の飛行が終われば、また巣に戻って、一生涯子供を産み続けなければならない。
もちろん働き蜂たちも、彼女を罰するようなことはしない。彼らにとって、女王の浮気性はプラス材料だから。女王蜂のフェロモンは、交尾する相手の数によって配合が変わる。変わるのは、その匂いをかぎわけることのできる随行員の数もそうだ。働き蜂たちは、女王が交尾した回数に比例して、彼女への尊敬を高め(女王蜂の体を「なめたり、こすったりする行動」で表す)、君主としての治世期間を延長する。コロニーの遺伝子が多岐に富めば富むほど、世間の荒波を乗り越えるための力強い遺伝的手段を手にすることができるからだ。
「ハチはなぜ大量死したのか」 第9章 ロシアのミツバチは「復元力」をもつ P.241
ミツバチの振る舞いに関しては「ハチはなぜ大量死したのか」の方が正しかろう。 「利己的な遺伝子」を読んだ時には思わず膝を打ったハミルトンの血縁選択説も、なんだか疑わしいものに思えてきた。